「エラー!!」「エラー!!」
ウィザードライバーからは不穏な音声が鳴り響き、指輪を近づけても魔法が使えないでいるウィザード。ケットシーは『バインド』の魔法で身動きがとれないでいるのに……、トドメが刺せない。そしてウィザードは「俺も魔力切れか」と呟いた。
魔力切れ?
どうやらメデューサに倒されたコヨミを助けたことが原因の様。『バインド』の魔法も効果が立ち消え、遂には変身が解けてしまうウィザード。ケットシーには逃げられてしまった。
一方、コヨミに注意されたにも関わらず勝手に出歩いた結果、ケットシーに襲われたピアニスト高木栄作は、というと……そんなこと知らんぷり。魔法使いもたいしたことないな、などと悪態をつく彼にコヨミは大激怒です!
はてさて、こんなことでファントムから高木を守ることができるんでしょうか。
また、一旦は倒されそうになったケットシーはますますやる気が無くなってしまった模様。毎度毎度、個性の強いファントム相手に檄を飛ばすミサとユウゴですが、面倒臭がりなケットシー相手では少し手を焼いているかも……3人のやりとりに注目です。
また5話では、面影堂の輪島さんにたどり着く前、コヨミと晴人がいかにして絆を深めた物語が語られます。そしてコヨミの衝撃の真実も明らかに。なぜコヨミの身体は冷たかったのか、なぜ『プリーズ』の指輪で晴人はコヨミを生き返らすことができたのか。謎多きコヨミの正体に触れて、怒ってばかりでちょっと怖い(?)彼女に親近感が湧いちゃうかも!な、第5話。お楽しみに!
ケットシーとの戦いの最中に魔力切れとなってしまったウィザード。なんとかとどめを刺そうとするが、変身を解除し晴人に戻ってしまう。力を失った晴人はケットシーの一撃に吹っ飛ぶが、やる気をなくしたケットシーになんとか救われる。
そんな晴人を批判するゲートの高木だったが、逆に晴人からわざとファントムに襲われようとしていることを指摘されてしまう。
コンクールで優勝できないぐらいならファントムによって手を失った方がいい…。
負け犬のような高木に晴人を非難され、コヨミの怒りが爆発した。晴人が負けたのは自分に魔力を与えたからで、勝手なことを言う高木など晴人が命をかけて守る必要はない!
熱くなるコヨミをなだめる晴人だが、その場で意識を失ってしまい…。
「面影堂」に戻り、眠り込む晴人に付き添うコヨミ。そんな2人を心配する凜子と瞬平だが、なぜ死んだはずのコヨミが甦ったのか。晴人とコヨミは魔力のやりとりをしていたようだが…、と尽きぬ疑問を語り合う。
そんな凜子と瞬平に輪島が重い口を開いた。
「多分、コヨミはファントムを生み出した後のゲートだ」。
なんとファントムに命や記憶、希望までも奪い去られ、抜けガラのようにして生きているのだという。命の源は晴人からもらう魔力…。
コヨミの真実に触れた凜子と瞬平は思わず黙り込んでしまう。
一瞬目覚めた晴人から、絶望しても構わないと言っている人間ほど絶望したくないもの、と言われたコヨミは自らの体験を思い出し、一人高木のもとへ。が、そのコヨミの後を追った凜子と瞬平とともに高木を説得することに。
コンクールに出るかどうかも決めかねる高木に対して、過去の栄光が汚されるのが怖いだけ、「今」を生きていない、と批判するコヨミ。実はコヨミも自らが
ファントムにすべてを奪われた抜けガラと知り、自暴自棄になっていたとき、晴人に「俺たちが何者だろうと今を生きようぜ」と勇気づけられていた。
前に進むには「今」を受け入れるしかない。そんなコヨミの真剣な訴えに高木の心は揺れ始める。
高木のマンションの外で見張りを続けるコヨミ。そのコヨミに「早く帰って」と言われる凜子と瞬平だったが、凜子はコヨミの手を取ると「私も晴人くんから希望をもらったからこうして『今』を生きていられる」と語りかける。もちろん瞬平も…。
そんな凜子と瞬平の心が初めてわかったコヨミ。「好きにすれば」と一緒にゲートの高木の監視を続ける。
コンクール当日。会場の中で監視を続けるコヨミ、凜子、瞬平の前で高木の演奏が始まった。情熱的にピアノを弾き続ける高木、どうやら決心がついたらしい。
そのころ会場の外ではグールの大群を率いたケットシーが現れた。高木を襲おうと会場へと入ろうとするが、復活した晴人が立ちはだかった。晴人はウィザードに変身。グールの大群に対して「コピー」のリングで分身、あっという間にグールを片付けてしまう。
あとはケットシーを倒すのみ。ジャンプしながら逃げ回るケットシーをハリケーンで追いつめるウィザード。最後はスラッシュストライクでケットシーを撃破する。
高木を絶望の淵に追い込むことなくファントムを倒した晴人。高木はファントムを倒してくれた感謝の気持ちを表すと、今の自分を受け入れることがで
きたと素直に喜びを口にする。コンクールでは優勝どころか入賞も逃してしまったが、「今」を生きるために海外で勉強しなおすという高木。
「君のおかげで目が覚めたよ」。
コヨミに感謝し、その場を後にする。
またドーナツが食べたくなったという晴人に「私がおごる」とご機嫌なコヨミ。僕らも一緒に、という瞬平に対しても「好きにすれば」と2人を受け入れる態度を。
晴人はそんなコヨミをほほえましく見つめながら、ゆっくりとドーナツ屋へと歩きだしていた。
ピアノコンクール当日。
ゲートを狙いファントムが会場に忍び寄る。