第20話「近づく真相」(2013/01/27)

脚本 香村純子   監督 石田秀範
東映公式

 雨が降る街角、ウィザードと戦うことをワイズマンに止められてイライラするユウゴに、酔っぱらいの集団が絡んで来る。当たり前だが人間がユウゴにかなうはずもなく、あっという間にやられてしまう。その騒ぎを聞きつけた凛子は、去っていくユウゴとすれ違うのだが…
 とにかく誰かと一緒にいたい志保。旦那が仕事に行っている間は、友人・知人と電話にメールにお稽古事に、と忙しいのだが、そこに指揮者のような姿をしたファントム・ベルゼバブが現れる。晴人が駆けつけるが、志保は逃げるよりも、落とした携帯電話を拾うことを優先して…

 今回のゲート・志保さんは誰かと繋がっていないとダメな女性。あの瞬平よりも、あの仁藤よりも、うざったい人だったりします。こちらの話をまるで聞かない志保さんに、さすがの晴人も渋い顔。ドレスコードのあるレストランに連れて行かれますが、このままでは入れない。さぁて、どうする?
 一方、携帯電話を手放さない彼女を見て、ニヤニヤ笑うベルゼバブ。蝿の王の名を持つファントムは何を企むのでしょう?
そして、偶然にも暴行事件の容疑者として、ユウゴを追うことになった凛子。しかし、ユウゴに近づくということは、あのフェニックスに近づくということ。果たして大丈夫なのか?

 20話21話をお願いしたのは石田秀範監督。知る人ぞ知る、平成ライダーシリーズ13作(クウガ〜フォーゼ)全てに登板した唯一の監督… 半年間の沈黙を破り、満を持してウィザードに初登板。台本が配られ、石田秀範来襲(!)を知ったスタッフ一同、褌を締め直して打合せに臨んだとか、臨まなかったとか(^^;
ストイックと言うか、求道的と言うか、とにかく芝居に対してものすごく真摯な石田監督。ウィザードレギュラー陣との初交錯、そしてその末に生まれた美しい映像。恐ろしいことになっておりますので、乞うご期待!

テレ朝公式

 ゲートの及川(池田政典)をめぐって三つ巴の戦いを繰り広げるウィザード、ビースト、そしてファントムのヒドラ。どうにも決着がつかず苛立ったビーストはファルコマントに変身すると、及川をさらって飛び去ってしまう。

 及川を前に仁藤(永瀬匡)は、あんたの中のファントムが欲しいと訴えるが、どうすれば及川からファントムが生まれるのか方法がわからない。そんな仁藤の話を及川が信じるはずもなく、さっさと家へ帰ろうとする。

 及川の家についていった仁藤は、及川が病気で妻(鈴木智絵)を失って以来一人寂しく生活していることを知る。
「妻が死んでから私は絵が描けなくなった」。
 自らが描いた妻の肖像画と話すことだけが生きる希望だ、という及川に、さすがの仁藤も言葉を失ってしまう。

 ゲートが画家の及川であることをつかんだ晴人(白石隼也)は、瞬平(戸塚純貴)、凛子(高山侑子)とともに及川の自宅へ。鉢合わせした晴人は、仁 藤を庭へと連れ出し、ゲートが絶望したときにファントムが生まれること、ファントムが生まれたときゲートの命も失われることを説明する。
「…ウソだろ…」。
 初めて真実がわかり、動揺する仁藤だが、ファントムの魔力を食べないと生きていけない自分はどうすればいいのか。そんな問いかけに晴人は、明日の命より、まずは今日の命だ、と言い放つ。

 凛子からも晴人が自らの命をかけてゲートを守っていることを聞かされ、頭をかきむしる仁藤。晴人らが及川から妻の肖像画が生きる希望と聞かされている間にも、一人庭でバーベキューをしながら思い悩む。
「明日のためにゲートを犠牲にするのは後味が悪い。かといってもファントムを食わないと俺が死んじまうし…」。
 明日の命よりも、まずは今日の命…。仁藤は改めて晴人の言葉を思い返していた。

 及川が「面影堂」に避難することになった。及川の希望、大切な妻の肖像画をそっと布で包む晴人。そのとき肖像画の裏にあるものを見つけて…。
 晴人らはまだ答えの出ない仁藤を残し、及川とともに「面影堂」へ移動。しかし、その途中、待ち構えていたようにヒドラが現れた。どうやら及川の自宅を見張っていたらしい。
「おかげでゲートの心の支えもわかった」。
 晴人はウィザードに変身。ヒドラに向かっていくが、それはワナだった。いつのまにか現れたグールが逃げようとした瞬平、凛子、及川を取り囲むと大切な肖 像画を奪ってしまう。ここぞとばかりヒドラはウィザードではなく、肖像画を破壊。大切な絵はボロボロに砕け散ってしまった。

 ショックを受けた及川はがっくりと跪き、絶望の淵へと落ちていく。そして、その体がひび割れ始めた。
 が、ヒドラと戦うウィザードは及川に近づくことすら出来ない。
 いよいよファントムが生まれてしまう…と思ったその時、仁藤が現れグールを蹴散らした。
「明日のことを今日は考えないことにした」という仁藤はビーストに変身。「ゲートは俺が助ける」と宣言すると、及川に「エンゲージ」のリングをはめて及川のアンダーワールドへと入っていく。

 そのアンダーワールドで巨大ファントム、バンダースナッチと遭遇するビースト。自らのファントム、キマイラとともに圧倒的なパワーでバンダースナッチを撃破する。
 一方、地上ではウィザードのもとに新たなリング、「ランドドラゴン」と「グラビティ」がもたらされた。苦戦していたウィザードだったが、ランドドラゴンに変身すると「グラビティ」で重力を操り、ヒドラを圧倒。最後は「スペシャル」で撃破する。

 なんとか絶望の淵から甦った及川だったが、肖像画は粉々になってしまった。しかし、晴人は及川に肖像画の裏にそっと隠してあった及川の妻の手紙を手渡す。
「私のことを振り返るより、新しい絵をいっぱい描いて。それが私の希望」。
 手紙を読んだ及川は新たな希望を手に入れる。

 仁藤の協力に感謝する晴人だが、自分は責任をとっただけ、と素っ気ない。そんなやり取りを見ていた瞬平は、晴人が仁藤のアンダーワールドへ行き、 ファントムを倒せばいいのでは、と提案。仁藤も受け入れようとするが、「エンゲージ」の指輪をはめてもらいそうになったところで拒否する。
「俺は男に指輪をはめてもらう趣味はない」。
 あくまでも晴人をライバルと決めつけて一人去っていく仁藤。晴人らはあきれ顔でその背中を見送るだけだった。

ハイパーホビー

 自分がファントムに襲われるゲートだと教えられても友達とのランチの約束やダンススクールを優先させる主婦の志保。
 しかしどこへ行っても志保は何故か仲間外れにされてしまう・・・。

Newtype

 晴人は、ファントムのベルゼバブに襲われていた主婦の志保を助ける。
ファントムに狙われていて、危ないという晴人の忠告に耳を貸さず、志保は友人との約束の場所へ行こうとしていた。

 晴人は一緒に志保の友人たちの元へ同行する。
だが、志保は何故か友人たちから無視され、何を言っても取り合ってもらえず落ち込んでしまう。

 一方、凛子は酔っぱらいが繁華街で襲われた事件を調べ、犯人を突き止めるが・・・。